2008年

107(2008/2/16)

「離婚した夫と引き取った子どもとを会わせたくないのですが」

 

相談者(33歳女性)

9歳と7歳の男児を引き取り離婚しました。前夫は再婚し、新しい家族との生活があります。

その為に、前夫のことを大好きな子どもたちは、いつも前夫の都合に振り回された時間内でしか合えないのです。帰るときは淋しそうです。子どもたちは傷ついています。

このまま定期的に会わせていると、私が再婚した時、新しい父親に慣れないかもしれないので、前夫に子どもを会わせたくないです。

 

唯識

感情的になっていますね。一つ一つ客観的に観ていきましょう。

 

まず、9歳と7歳ともなれば、自己を感情や思考で表現しようとする自我が急速に発達し始める年齢です。まだまだ子どもだと思って、親が心まで管理しようとしても無理ということを前提としましょう。

 

そして、自分の身体の半分の血をひいている父親を母親が非難すると、自分の存在そのものを否定されていると子どもは無意識に感じます。

父親の悪口は子どもたちの成長に有効ではありません。

むしろ「お父さんは忙しくてもあなたたちに会うことを優先してくれているのよ、よかったね」と、次会うことが楽しみになるようにしてあげましょう。

なぜなら、相手の都合に振り回されていると思っているのは誰ですか?

あなたがそう思っているだけですよね。

 

新しい父親に慣れないかもしれない、という不安は、子どもたちに新しい父親に前夫と同じように親しんで欲しいというあなたの期待があるからです。それこそあなたの都合です。

実父は何十年経っても実父で、義理の父親は義理なのです。

それでいいではありませんか。

 

家族の形は変わっても、実の父親として与えることの出来る愛、義理の父親として与えることの出来る愛。大事なのはその時、お父さんとお母さんは愛し合ってあなたたちが生まれ、今新たなお父さんも大好きで、新しい家族になるという決意が素直にできるならば、それをちゃんと子どもたちに正直に伝えることです。

 

子育てにおいて、子どもを自分の描く理想的な子どもに育てようとするのではなく、親が子どもに向き合うとき、自分に正直になることができているか、親自身が自分に向き合うことが最も重要なのです。

 

 

 

108(2008/3/15)

「最近、外出するとき、家中の窓やドアの鍵がかかっているか気になり、何度も確認

しないと気がすみません」

 

相談者(34歳女性)

26歳で結婚。優しい夫や両親との実家での生活。家事一切母親に任せ、事務職で勤続12年の会社も居心地よく、友人を含め人間関係で悩んだことがない。経済的にも問題なく、健康な身体に恵まれ、とても幸せに生きてきた。このことは、いつも感謝しています。

ところが、周囲から「そろそろ子どもは?」と聞かれると急に不安感に襲われる。

この頃から、施錠の確認行動が増えた気がします。

 

唯識

脅迫的な施錠行動は、今まで経験のない『自立』という侵略者から、お姫様的快適な環境を施錠して守りたい心の表象。仕事を理由に依存できたことが、出産、育児では人任せにできない。出産の痛みはだれも変わってくれない。経済的にも自由に自分へ投資していたのが、子ども優先になる。今まで、あなたが可愛がられてきたけど、赤ちゃんの方が注目され生活のすべてが、子ども中心になる。あなたは親として一人の人間を育てていく自信がないのね。

この状況から『自立』できない自分への葛藤、不安感が行動に現れているだけです。

 

大丈夫ですよ、慌てないで。このままでいいのだろうかとかえりみたけど、具体的に何をどうしていいか分からないから、環境に流されてきただけですよ。まず、行動と心のバランスを整えていきましょう。

 

行動面では、苦手なことは後回しにします。

例えば、朝食のお味噌汁だけつくる、風呂場掃除、休日の洗濯をするなど手の届く目標設定をします。人は自分が決めた3つのことが実践できれば、充足感を得ることができると、統計学的に検証されています。

 

心理面では、自立できていないことへの自責の念を開放し、赦し、行動できたことを賞賛してあげましょう。「やればできるわ、少しずつゆっくりペースでもいいじゃない、私はよくやっている。私は自分を愛してる」ってね。心から思えなくても、何度も自分に言い聞かせる。

そして、何もしない考えない、だら~りと心身を緩める日も作り、「だらりを満喫する」のも、

とっても有効です。

 『自立』しなければとの焦燥感に向けられていた意識を『できている』の成功体験の積み重ねに意識転換することで、心身にゆとりがでてきて脅迫的な行動も必ず減ってきます。

 

自分で、問題だな、辞めなければ、消してしまいたい、いけない、悪い、と意識すればするほど、そこにエネルギーを注ぎ込むことになり、それ自体が拡大増幅しているように感じるのです。問題行動には触れない、喜びや楽しみに意識を向ける努力をしてみるといいですよ。

 

 

 

109(2008/4/19)

「相性の悪い実姉と一緒に実家の家業をすることが不安です」

 

相談者(41歳女性)

姉が結婚後、私は親孝行のつもりで家業のブティックを継ぎました。

従業員との人間関係、父との軋轢、悩み続けながら働きました。4年前に母が亡くなり、父が経理を、私が実務を執り仕切り、やっと最近軌道に乗り、少し自信もつきました。

姉は昔から美人で気立てが良く秀才で、私は姉が羨ましかった。姉が嫁いでからは、自分の居場所をみつけ、自分らしくのびのびと生活してきました。が、離婚を機に、姉が店を手伝うことになります。ようやく築き上げた店をかき乱されてしまうのではないかと心配です。

 

唯識

かき乱されそうなのは、店かあなたの心かどちらでしょう?

自分と相手を比較対照し、主観的基準で、自他の優劣を決める。そのことで、自分自身が劣等感と羨望を抱くこと、要するにただの悲観的思い込みを、コンプレックスといいます。

 

お姉さんの存在や言動をいつも意識して生きてきた。

更に、お姉さんの周囲からの評価も、敏感になっていた、という【自分】に気づいてみましょう。

 

満足できる他人の評価を希求しても、心は枯渇するばかりですよ。

あなたは、店を継ぎ、暗中模索、七転び八起きし、今を築いた経験がありますよね。

自信は先にはなく、経験体験を携えて後からついてくることも分かりましたね。

こんなに素晴らしい自分を他の誰でもない、【あなた】自身で認め、賞賛してあげてください。

きっと心が満たされます。

 

そして、お姉さんに素直に、「羨ましかった」「お姉さんにも認めて欲しかった」と言葉で伝えてみましょう。お姉さんも昔から人一倍努力し、頑張っていたのかもしれません。今のあなたと同じように。相性が悪いどころか、似たもの同士。お互いのプラスのところを意識して、協力し合いましょう。きっと亡くなられたお母様もお喜びになられることでしょう。

 

 

 

110号(2008/5/17

「同棲中、仕事と家事の両立がストレスです」

 

相談者(29歳女性)

2ヶ月前から同棲を始めました。

家事は大好きだし、彼も外食より私の手作りの料理をとても喜んで食べてくれます。

しかし、家事すべてが二人分となると予想以上の労力と費やす時間に、仕事との両立で

ストレスを感じるようになってきました。

このような状態では自分のことも彼のことも嫌いになりそうで不安です。

 

唯識

同棲を始めて2ヶ月とういうことは、お互いに新たな生活に新鮮さも感じると同時に、無意識に緊張感も抱きます。この無意識の緊張感がどこからきているのでしょう。

女性として家事はしっかりこなさなければならない、食事を喜んで食べてくれる彼の期待に

応えなければならないと完璧にこなそうとしていませんか?

 

あなたは仕事と家事をしっかり両立できる、最近の女性にはない良妻賢母型ですね。将来はきっとすてきな』奥さんになるでしょう。でも、まだ結婚している訳ではありませんね。

同棲という立場でのあなたの役割はなんでしょうか?先のことを不安無く楽しく生活していくには、この役割の部分を明確にし、お互いの出来る範囲で協力し合えることをもう一度話し合い、共通理解を確認してみましょう。

 

何度でも仕切り直しが出来る、それが同棲生活のメリットでもあるのです。

そのとき、彼から嫌われるかもしれないと思うのであれば、感情的、悲観的にならずに「嫌われたくない」「仕事との両立は物理的に難しさを感じているの」と冷静に本心を素直に表現してみましょう。 できるということと無理をすればできることの違いを意識してみましょう。

頑張りさえすればできる、我慢すればことが納まるという自己犠牲の上に成り立つ幸せはありません。

 

素直な自分の心を相手に表現できると、心に余裕ができてきます。

すると、彼に喜んでもらうことが自分の喜びだとはっきり認識でき、自分の心に存在する慈愛を感じることができるようになりますよ。

 

 

 

111号(2008/6/21

「マザー・テレサのように、困っている人の役に立ち、人助けしたい」

 

相談者(41歳男性)

私は身体障害者です。一生懸命努力しても、人の手を借りずに生活することはできません。

人の重荷、世間の邪魔者として生きることに疲れました。この身体が憎いです。

人に迷惑をかけないで、何か役に立つことをしてみたいです。

 

唯識

人の役に立ちたい、という愛の精神はすばらしいですね。

ただ、身体に障害があるから人の重荷、世間の邪魔者だと被害者意識を持っているのは誰でしょうね?そして、そんなに自分の身体を憎んだり、責めたりしないでください。

愛の精神には障害者も健常者もありません。

あなたなりの方法でそれがどのように実現可能なのか、選択肢が見つからないだけですよ。

 

マザー・テレサは「愛の運び手になってください」とおっしゃいました。

【愛】とはなんでしょう?愛情は見返り反応を期待し執着を伴います。

【愛】は、ただそのまま。あるがまま、自然体を認め受け入れることです。

 

あなたはベストを尽くして生きています。その姿が人々に無条件の勇気を与え、あなたの笑顔や笑い声が人々に喜びを与えるのです。

人の心を洞察し、どうやってこの人を笑わせようか、喜ばせようかと日々意識し、訓練し、達人になってください。人の数倍、苦悩と悲哀を経験したあなたにしかできないことです。

 

まさにあなたの生き様、存在が「無条件の愛を運ぶのです」。それがあなたの使命です。

 

 

113(2008/8/23)

「仕事中、パニックになります」

 

相談者(30代男性)

仕事で新たな業務を指示されると、どうしていいのかわからない、でも頑張ってこなさないといけない、と考えを繰り返しているとパニックになり、思考に疲れ、日常生活の気力を失い、最後には挫折感と自己嫌悪だけが残ります。何とかこのパニックを克服したいです。

 

唯識

向上心溢れる方ですが、例えば、あなたの友人が落胆の表情で「努力したけどこれ以上頑張れない」と打ち明けられて、もっと頑張って、と強制しますか?

違いますよね、まずは「無理しないで、頑張りすぎないで」と声を掛けてあげるでしょう。

あなたも無理しないで現状を見極め、受け入れながら克服していきましょうね。

 

まずは、100%達成可能な手の届く処に目標を設定します。

その為には、自分の業務面、心理面の現時点での、限界を理解しておきます。

限界とは業務経験からのマニュアルがあるかないかです。

そして、得意不得意分野、即ち時間を費やすか、スムーズに終える業務かをファイリングします。マニュアル作成では、上司や先輩の協力を素直に依頼することです。

 

要するに、あなたのパニックの原因は経験上のマニュアルがないことやスキル不足によって、仕事の進行方向が分からなくなり、そこから不安感が生まれ、そのことに気づいていないのでパニックになっているだけです。

子供の頃、自転車の練習で、段階的に補助を外したことを思い出してみましょう。

大丈夫、慌てないで一歩一歩すすめていきましょう。

 

 

 

114号(2008/9/20)

「実母が認知症と診断されました」

 

相談者(49歳未婚女性)

自宅で宝石デザイナーをしながら母親と二人暮らし。

介護は全く苦ではありませんが、日に日に症状が悪化し、知的で社交的で誇りたっだ、私の

理想の母が、別人になっていく様子を毎日看るのが辛いです。

これから、母はどうなるのか、私は、どのようにサポートすればいいのでしょうか?

 

唯識

とてもお辛いでしょうね。

昨日まで一人で出来ていたことが、今日はできなくなり、同じ話を繰り返したり。

一晩で進行する病状に、あなたの気持ちがついていけないのですね。

 

理想のお母様が消失していくように感じる、あなた自身の喪失感。

病状を止められない、あなた自身の無力感。

これはお母様の問題ではなく、未来を不安に思う、あなたから生じているのです。

 

とらえ方、考え方を少し変えてみませんか?

まず、病状がどう進行する可能性があるか、心の準備として、本などを読んで想定しておきましょう。

そして最も大切なことは、円滑でないコミュニケーションに嘆くのではなく、いつまで続くか分からない、お母様と共有できている『今』に感謝してみませんか。

同じ事を繰り返すと考えるのではなく、一瞬一瞬を新たに感じているお母様と同じように、あなたも瞬間瞬間で向き合い、戸惑いながらではなく真摯に対応してあげてみてください。

 

ワンショットの瞬間写真の連続が、今日という一日で、今日という一日の連続に、未来がくるという真実です。お母様は、『人は一瞬を生きている』ことを、身をもって、教えて下さっているのかもしれません。誇りに思えるお母様ですね。

 

 

 

115(2008/10/18)

「夫の他に好きな人ができました」

 

相談者(43歳会社員子供なし)

独身の彼と交際5ヶ月です。とても大切にしてくれて結婚しようと言われます。

でも離婚すると、夫や両親を悲しませるのではないかと友人に言われ、日々悩みます。

どうすれば幸せになれますか?

 

唯識

あなたは、幸せをあなたの内面にではなく、人の言動のなかに見いだそうとしている、ことに気づくことが、悩みを解決する上で最優先かもしれませんね。

 

例えば、会社の上司に賞賛されると天職と思うくらい喜び、厳しく注意されると不向きかもしれないから辞めようと落ち込む。

これは、他人の言動による評価のなかに、自らの幸せの価値観をおいているので、自分が

本当はどうしたいのか、本心がわからなくなり決断に悩むのです。

 

今は、彼のことが好きでも、その情念は【無常】です。【感情に永遠性はありません】。

このことをしっかりと心に置きましょう。

『彼との関係性に不安はない?心から純粋に楽しい?』と自問自答し、内面に向き合いながら、彼との瞬間の関係性を選択します。

これまで、人の言動に追随してきたので、時間はかかるかもしれませんが、次第に本心が観えてきます。

 

そして、ご主人やご両親を悲しませたくないと思うなら、与えられている多くのことに心から感謝し、危なげない人生ではなく七転び八起きしながらでも、あなた自身が納得のいく人生を生きるなら、周囲の方々はあなたのどんな選択でも納得して、受け入れてくれることでしょう。

 

 

 

116(2008/11/15)

「自分が何を望んで生きているのか、わからなくなります」

 

相談者(40歳女性)

最近なぜか落ち込み気味なのです。

自分が本当に望んでいるものが、何なのかわからなくなっています。

 

唯識

一言でいうと、今日一日を楽しむことの日々の連続の先に、徐々に自分が本当に望んでいるものがわかってくる、という感じです。

【自分が本当に望んでいるもの】が明確にわかって生きている人は少ないかもしれません。

 

『今日のランチは何を食べようかな』という場合、考えて決めているようですが、実はそうではありません。自分が本当に望んでいるものは、もっと感覚的な部分、直感なのです。『とても美味しいランチを食べた後の、幸福感や満足感などの感覚』を意識して選択しているのです。

あなたが本当に望んでいるものは、感覚的なものです。

楽しい、ワクワク、好き、欲しい、快感、理由もなく、ただそうなりたい!

意味があって要求が満たされるというより、願いの実現化や体験のすり込みが、生きる喜びを感じさせる、という仕組みです。

 

例えば、明日オードリー・ヘップバーンのような女優になる!なんて真剣に望まないですよね。でも、サロンで彼女の象徴的なショートへアにはできます。

要するに、無意識のうちに、実現可能なことのみを、選択的に望んでいるのです。

 

結果の善し悪しや、成功か失敗か、などの判断や期待を開放して、自分だけが感じる、快か不快かを、<時間をかけて>意識し続けると、自分が本当に望んでいるものが明確に感じられるようになります。

 

意識を意識する、とでもいいましょうか。

考えすぎず、今日一日を、自分がイメージできる限りの、最高バージョンでワクワク感を探りながら、楽しんでみると、いつの間にかそれが【自分が本当に望んでいるもの】だと気づきます。

 

 

 

117号(2008/12/20)

「自立とは一体なんでしょう?」

 

相談者(40代独身女性)

結婚する予定はありません。

今まで親元から離れたことはなく、実家が居心地よく、独立して生活しようと考えたことはありません。しかし、結婚したいと思わないのは、自立していないからだと周りからいわれます。

仕事も人並みにしていますし、金銭的に親に甘えているわけではありません。

自立とは一体なんでしょう?

 

唯識

成人した方にとっての自立というと、経済面と捉えがちですね。

未成年者に向けての自立では、生活面を意味する場合が多い。

そして、心の問題が目立つ昨今では、やはり、精神的自立を示唆されますよね。

 

既婚=自立している、未婚=自立できていない、と短絡的には言えません。

なぜなら、女性既婚者で、掃除ができなくて悩んでいれば、生活面で自立ができていないことでしょうし、就業していて親に甘えていなくても、経済面に余裕がなく、いつも友達にご馳走になってばかりですと、本当の意味での経済的自立といえるのでしょうか?

どれも、大切な側面ですが、精神的に自立すれば、生活面も経済面でも、人に迷惑をかけない程度に、自立することは可能です。

 

ご相談者の場合、親と同居という条件下で、親に頼らず家事ができているなら、生活面での自立はできています。生活費を親に渡していれば、それは、経済的自立です。

問題は、精神面の自立かもしれません。結婚したいと思わないのも、親元にいたいのも、その居心地の良さに依存し、精神的自立が成されていないのでしょう。

これは、自分に都合のいい依存です。

これが当たり前になると、無意識のうちに、自分の価値基準まで他人に委ね、『周りからいわれるから』と、他人の規範や言動に依存するようになります。

簡単に言うと、人のせい。

このような自分を意識し気づいていくことで、精神的な自立の準備も少しずつ整ってきますよ。

 

 

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